館長の部屋

ムナカタさんは、童書から想を得た

晴れ、絵に描いたよう。

COOL JAPAN日本前衛書南砺展 、南砺市を中心に活躍の玄土社女流作家10人と主宰の表 立雲 さんの社中展ですが、

北京、香港、フランスでの展覧の凱旋展でもあります。

書を軸としながらも、現代美術絵画展と呼んだ方がいい。刺激的な作品群が新鮮。

開会式にともなう、表さんの記念講演会は椅子を追加するほどの満員。

市民ギャラリーでは古典倣書展同時開催。玄土社ならではの企画である。

「棟方志功さんはね、南砺一円の 童書(児童の書)をとても、愛しんでいた。

ムナカタ流の書に大きな影響を与えたんだ」

若き日、 志功とともに書の世界を共有していた人ならではの 貴重なことば。

88歳には とても思えない情熱と熱弁に圧倒される。

棟方さんに触発されて活躍中の飛鳥寛栗さんは98歳。

長﨑莫人さんは84歳。

昨年亡くなった、岩崎巴人さんは96歳。

ジャーナリストの故松本直治83歳。

作家の故岩倉政治さん享年96歳。

棟方志功さんの強烈なパンチをくらった人々はいつまでも現役。

さて、我が身は… からきし自信は無いが。

 

 

なんとの至宝展 解説会

なんとの至宝展  30人ぐらいが解説会へ。
入口にご注目。  数枚の写真が飾られています。

井波の祭礼で、  渡邊学芸員が撮影。
ロケーションといい、  子どもの表情といい、  アマチュア写真公募展ならまちがいなくグランプリ。
本人も、ご家族にとっても稀少な記念の一枚です。

学芸の渡辺さんは有名大学大学院で 史学専攻だっただけに、歴史屏風の解説はわかりやすく、面白い。初めて目にする鑑賞者には とても好評です。
団体、小グループのかたで事前調整が必要ですが、きがるにお申込いただければ解説いたします。
次は9月1日(日)午前11時から。
南砺の町衆の文化。  祭礼そのものが、生きたミュージアム。

首都圏など大都市に住む人たちにとって  垂涎のテーマであり最高のもてなしになるでしょう。
全国でも、ほとんど無いまちの文化。 新しい発見があります。  足元にある宝石。

なんとの至宝展-Part4

過去3回の実績がベースとなって、今回は金屏風による豪華な至宝展に。なんと、なんと、南砺市にはお宝がこんなにも秘められていたとは、と驚きのシーンである。

監修者の富山県立大学、原口志津子教授から、列品解説と記念講演をしていただいた。富山県指定文化財の「一の谷・屋島合戦図屏風」は城端別院善徳寺さんの最大のお宝でもある。渡邉学芸員のわかりやすい解説書が添えられていて、とても好評である。このリーフレット片手にこの金屏風の各シーンをたどれば、壮大な歴史ドラマが再現できるしくみになっている。こんど、ゆっくりと源平合戦の旅をを屏風絵で辿ってみたい。

会場正面で出迎えてくれるのは岸駒の長子、岸岱の虎図。対になった猛虎の迫力は、日本人誰もがホンモノの虎を見たことのない時代に、よくぞここまで描かれたものと感心します。

城端、井波、福光、福野、利賀までひろく所蔵家のご厚意で実現した、重厚な屏風の祭典です。原口先生によれば、これだけ密度の濃い町衆文化が存在しているのは日本中探しても極めて珍しいであろうとのことです。

所蔵家にしても、ご先祖が購入されたいきさつもつまびらかでなく、代替わりでその内容もこの機会に知りたいと望まれる。また、保存状態によっては表具屋さんの協力で、お化粧なおしして出品された屏風も。会場で「おらとこの屏風はこんな立派ながやったかいの」と感激されている出品者もおられた。

この企画展は、南砺市ならではの高い文化のポテンシャル(地下水脈)を再発見し、ふるさとのお宝に磨きをかけたことになる。

 

 

 

川原竜三郎さんの遺稿集

川原さんの回顧展を機会に、ぜひと思い立って、ふくみつ光房さんにお願いして遺稿集の発刊が実現しました。

川原竜三郎さんが7年にわたって書き溜められたコラム「楽しく、美術館に、行こう」発行は、ふくみつ光房(株)B5判とコンパクトで       読みやすい。166ページにぎっしり。定価1,000円+税です。福光美術館のミュージアムショップで扱っています。地元書店でも配本予定です。

南砺市医王山山麓の糸谷から中学卒業と同時に15歳の川原少年が、木彫の修業に入る。隣村に生まれた私もその年にデザイン修業に。そんな時代でした。

川原さんは、上京して、洗礼を受け(洗礼名:アゴスティーノ)難関のイタリア・ローマの国立美術大学を卒業して世界に活躍。東京の大学数は200とも。ローマでは大学は数校だけ。 日本はよほど教育水準が高いのだと驚かれるそうだ。

ジャコモ・マンズーなどの世界の巨匠や、ローマ法王、ケネディ夫人、越地路雪、遠藤周作、小島功、塩野七美賛などとの出会いがあり、砺波市の林清納さんなど、富山ゆかりの作家はみなさんお世話になった。そんなエピソードが満載。なかでも、ローマでの勉強ぶりが軽快な筆致で表現されていて楽しい本である。

いたるところ、川原さんの謙虚で、やさしい人柄が滲み出てきます。6月22日の回顧展開会式に、川原邦枝夫人にもご出席いただき、ふくみつ光房さんでこの遺稿集をご覧いただきました。

ふくみつ光房さんの阿部さんが、川原さんから送られてきたFAXの手書き原稿をパソコンに入力されていました。生前、このテーマで  出版するのが故人の願いでした。

開会式のあと、圓鍔勝三先生の兄弟弟子だった、彫刻家の重岡建治さんの作品解説をいただきました。川原さんには福光美術館の運営委員会委員長として、これからもご指導をという矢先でした。7月28日(日)まで開催、期間中は無休です。

 

キルトの世界、モラの魅力

ときめく布たち~美を綴るArt Quilt展がスタートしました。第2回ですが、全国約1000館の美術館、うち500館は公立とされています。そしてキルト展を開催したのは当館が初めてでしょうと、中山富美子先生から伺いました。つまり、手芸のジャンルどまりで、百貨店催事と見られていたキルトが、純粋美術と呼ばれていた世界を凌駕できた証しでもあり、画期的なことともお話されました。

中山先生は、南米パナマ諸島のクナ族の手芸「モラ」を現地までたどって日本に紹介されました。そのお弟子さんでもある、南砺市福野の田島ふじ子さんのモラの作品をヘリオスで初めて拝見した時、その鮮やかな色彩感覚にすっかり魅せられました。ウエットな日本人。そのなかでもさらにしっとり、しめっぽい北陸の地に、中山先生の明るい色彩はショックです。

花鳥画家の石崎光瑤が、南国インドの花とインコにあこがれた気持ちがよくわかります。南砺市でも友好提携している、ネパールのタカリー族の民族衣装と色彩感覚にも相通じるものがあります。

画像は、タカリー族の晴れの日の衣装。下の織物は、花嫁の帯です。ネパールへ交流事業に参加したときのおみやげで、自宅のメインテーブルに飾っています。中山先生は、中央アジアのカザフ族、ウイグル族、ウズベク族の民俗衣装にも強い関心を寄せられていました。お互いに、世界は広くて冒険に満ちているですねと、意見が一致しました。そして、小さな部族ほど、すばらしい固有の文化を持っていることも。

キルトの世界は、まだまだ広がりがあります。

《会期中・無休です》