美術館のホールから見える庭の緑が、だんだん深い緑になってきました。庭の木々の向こうに見える桑山も一層鮮やかな色に。
この桑山には、おもしろい神話があります。
……むかしむかし越中の立山と加賀の白山が、背丈比べをしました。山の神さまは、より一層自分の山が高くなるように、頂上に石や土を運びました。そのうち立山も白山もてっぺんが雲の上を越え、土石を運ぶのも難しくなってきました。とうとう白山の神さまは、これ以上積むことができませんと、力余って一鍬分を投げ外してしまい、砺波の川上の里、石黒の庄へ落としてしまいました。その落ちた「一鍬分」が「桑(鍬)山」となったそうです。
参考:昭和30年広報ふくみつ『桑山の名の起り』
戦後、福光で暮らした棟方志功も、この桑山を好んでよく訪れ、描きました。現在常設展示室では、桑山をモチーフとした肉筆画を2点を展示しています。
ホールに広がるうつくしい緑と桑山、そして棟方が描いた桑山の作品、ぜひご覧下さい。
企画展「安野光雅 花の世界」は6月24日までです。皆様のご来館、お待ちしております!