ときめく布たち~美を綴るArt Quilt展がスタートしました。第2回ですが、全国約1000館の美術館、うち500館は公立とされています。そしてキルト展を開催したのは当館が初めてでしょうと、中山富美子先生から伺いました。つまり、手芸のジャンルどまりで、百貨店催事と見られていたキルトが、純粋美術と呼ばれていた世界を凌駕できた証しでもあり、画期的なことともお話されました。
中山先生は、南米パナマ諸島のクナ族の手芸「モラ」を現地までたどって日本に紹介されました。そのお弟子さんでもある、南砺市福野の田島ふじ子さんのモラの作品をヘリオスで初めて拝見した時、その鮮やかな色彩感覚にすっかり魅せられました。ウエットな日本人。そのなかでもさらにしっとり、しめっぽい北陸の地に、中山先生の明るい色彩はショックです。
花鳥画家の石崎光瑤が、南国インドの花とインコにあこがれた気持ちがよくわかります。南砺市でも友好提携している、ネパールのタカリー族の民族衣装と色彩感覚にも相通じるものがあります。
画像は、タカリー族の晴れの日の衣装。下の織物は、花嫁の帯です。ネパールへ交流事業に参加したときのおみやげで、自宅のメインテーブルに飾っています。中山先生は、中央アジアのカザフ族、ウイグル族、ウズベク族の民俗衣装にも強い関心を寄せられていました。お互いに、世界は広くて冒険に満ちているですねと、意見が一致しました。そして、小さな部族ほど、すばらしい固有の文化を持っていることも。
キルトの世界は、まだまだ広がりがあります。
《会期中・無休です》