館長の部屋

宇賀田達雄さんのこと

故宇賀田達雄氏

著書:祈りの人 棟方志功

棟方志功の長女、けようさんの夫であった、宇賀田達雄氏が平成24年5月24日に亡くなりました。大正11年生まれ、享年90歳でした。
もと朝日新聞記者、日本民藝協会機関誌編集など。最晩年の棟方志功と生活を共にし、「祈りの人 棟方志功」を残されました。
筑摩書房刊、703ページ、1999年発行。棟方志功に関する出版物は実に多く、さすが世界のムナカタとびっくりしますが、この伝記はもっとも身近で、しかもジャーナリストの透徹した眼で棟方の全体像が捉えられています。南砺市へも数度来訪されて、福光美術館にも貴重なアドバイスを受けてきました。南砺市で暮らした時代についても丹念に資料に基づいて記述されており、棟方志功の研究にはバイブルのような存在です。6月1日に、東京の堀ノ内斎場で葬儀が関係者がつどい、しめやかにつとめられました。

喪主 長女の頼子さんのあいさつ

 これまで、棟方志功の多彩な画業のなかで、福光時代はミッシングリングのように、不透明な存在でしたが、世界に飛翔する前の充電期として注目されてきました。それが宇賀田氏の手によって埋められたことの意義は大きなものがあります。ご冥福をお祈りします。
 

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