館長の部屋

絵手紙と棟方志功

全国に、絵手紙愛好者は100万人とされる。

その全国組織、絵手紙友の会会員は3000人。ことし5月28日に、第30回絵手紙友の会全国大会in富山が富山市国際会議場で開催される。申込み受付開始2日間で、予定の1000名に達して締め切る人気。北陸新幹線開業効果もある大コンベンションとなる。

絵手紙の創始者、小池邦夫さん(写真右端)は大の棟方志功ファン。「ヘタがいい、ヘタでいい」が会のキャッチフレーズ。福光美術館へも何度か。昨年26年9月13日の棟方志功の命日、愛染忌にお招きして記念講演をお願いしたところ、快く引き受けていただいた。遺影にもお参りいただいた。

第1回、第10回、第20回大会が、宇奈月温泉で開催されてきた。故広瀬秋夫さんの尽力と人柄による。第20回大会の折、棟方志功をテーマとした記念行事をアドバイス、大好評だった。富山絵手紙の会会長の、吉野仁氏(写真中央)から相談を受けた。福光新町の松村寿さんの紹介による。(写真・右)新町公民館での絵手紙展で。

ことしの第30回大会も、絵手紙の聖地、富山でと言うことに決まったのも、棟方志功への思いがあってのこと。そして、5月29日の観光を兼ねたエクスカーションには、大型バス4台で、福光の棟方を訪ねるツアーが予定されている。愛染苑もそのひとつ。ツアーコースでいちばん人気だとか。対応が大変であるが、ありがたい。ゆかりの地からの絵手紙による発信が楽しみ。

 

はじめての棟方志功展

 

北陸新幹線開業に先立ち、開会。

福光疎開で、棟方志功に何が起きたか。
その精神世界に正面から、踏み込んだ、はじめての企画展。

オープニング。田中市長挨拶から、テープカットへ。

 

待ちかねたように、どっと。

 

高岡善興寺蔵の「御二河白道図」は、目玉のひとつ。
本堂の暗い、高いところに掲出。
それが、眼前で見られる。つい最近、描かれたような鮮やかさ。

もう一つのお宝。白道舎襖絵と書。

棟方志功を真宗の他力本願の、宗旨に開眼させたのは、
南砺の吉田龍象さんの白道舎道場でのお座である。


講話に感動した棟方さんは、一気に襖絵と書を描きあげている。

 

記念講演は、大谷大学元学長  木村宣彰先生。

棟方志功とからめて、巷間使われている、
土徳ということばは、ふさわしくない、とも。

あまりの人気で、200人近くが聴講。
駐車場は満車。椅子が足りなくて、
事務所の椅子まで総動員する騒ぎ。
――
うれしい悲鳴。

 

 

 

 

瞞着(だまし)川(がわ)は見ていた

 遠く医王山をのぞむ蛍の名所「瞞着川」の夕景。

 

 昭和20年4月。東京は連日の大空襲が続いた。東京から

この医王山のふもとの石黒村法林寺(現南砺市)に 板画家の

棟方志功一家6人が、命からがら疎開してきた。

地獄のような日々から 一転して、このおだやかな福光の風

光は桃源郷のように映ったことだろう。大切な版木や民芸品

を灰にしてしまい、絶望のなかで棟方志功は、よし、この地

で新しく生きて行こうと決心した。

 青森生まれの棟方志功は、極度の近眼で水辺の小さな花や

生きものたちを愛した。山麓の仮住まいの家から、毎日のよ

うに手紙投函のため、福光の町はずれのポストまで歩いて通

う。30分は要した。

 田園地帯の途中に、豆黒川ともナマズ川とも地元の人たち

が呼ぶ小川がある。その土橋で一服するのが志功の日課みた

いなものだった。この川にはもともとカッパに騙されるとい

う伝説があり、志功は面白がって「瞞着川」と名付け、物語 

にして39柵の板画「瞞着川板画巻」を彫った。

 

 

 

名作「瞞着川板画巻」から25年後、病床にあった志功は

再びこの中から13枚を選び、刷り直して着彩し、安川電機

のカレンダーとした。

そしてこれが、生涯最後の作品となった。その作品解説の

文中には、自分の運命的な宇宙観を与えてくれた、この地に

感謝するという言葉を残している。

 

※まちなかギャラリー、萱笑のパネル原稿から

 

 

美術館の増築工事について

福光美術館では、10年來の念願でありました常設展示場と収蔵庫の増築に着手しました。議会などの諸手続きを済ませて、現在は基礎地盤の造成に入っています。楓の植樹がいい枝ぶりに育っていたのですが、移植が難しい樹種で残念ながら伐採しました。

取り付け道路と給排水工事など本格作業の前準備が結構大変です。隣の小山も伐採のうえ一部削っていますが、意外と岩盤が手強く難義です。

現在の2階の常設展示場は、いまも遠方からの団体さんで賑わっていますが、新しい常設展示場は1階隣接で、2倍の広さに生まれ変わります。北陸新幹線開業にはすぐには間に合いませんが(室内の湿気を抜くため)、棟方志功と石崎光瑤の2つの部屋が出来ます。

全国に、公立美術館は500館あまり。福光美術館の規模は中くらいに相当しますが、世界や全国に通用するパーマネント・コレクションと呼ばれる、常設展が2つもあるというのは極めて稀なことです。南砺市のゲートとしての貢献も期待されています。

3月の北陸新幹線開業に際しては、企画展示場いっぱいを使って、「大棟方志功展」を計画しています。福光で、世界のムナカタのこころに、何が起きたのかというテーマに挑戦します。お楽しみに。

なんと版画年賀状公募展開幕

第12回なんと版画 年賀状公募展のオープニング

 

どうだ!この弩迫力。 一般の部の大賞、富山市の渡辺 司さん。

道の駅福光さんの協力で巨大紙風船原画に。地元地区のみなさんのボランテイアで、でっかいプレゼント。

渡辺さんは、版画歴50年。数十年前に大谷美術学園の「版画年賀状を楽しむ会」で、お会いしていたのがわかった。再会でびっくり。

受賞した子どもさんの図録掲載を家族で確認中。ちびっこムナカタさんの誕生になるか。

授賞式、150人でロビーがいっぱいになる。年々増える。

表彰状を読み上げていて、最近の小さな子どもさんの名前、ややこしく、読むのがたいへん。

おしゃれで、かわいいが。副賞がずっしりと、たくさん。

審査員長の、谷内正遠(まさと)さんの解説がわかりやすく、具体的で人気が高かった。北陸銀行のPRの版画で有名なプロで、お母さんが光徳寺出身。

昨年版画大賞の能澤義光さんの作品。射水市在住で、道の駅福光のイベント、巨大紙風船の図柄にも登場。 それを、年賀状に。

大賞を受けた方は、翌年から招待出品に昇格します。なんだか、昨年の喜びがほのぼのと伝わってきます。

入場無料、2月16日まで。